米ぬかを大量に集めている。
20190913_074248-2160x1620

冬場の踏み込み式温床の資材に使うためである。
もう一つは、ボカシ肥料にしたり、直接畑や野菜に振り掛けるためである。

自然農法の記事で「米ぬかを畑に撒くと、野菜が病気に強くなったり、美味しくなる」とあった。

20190913_084559-2160x1620
ぬかを畑に撒いた。

20190913_084516-1620x2160
糠を葉に掛けた。



どうして、そのようなことがあるのかを研究した記事があったので、以下にその一部を引用して、まとめたものである


米ぬかの効果―作物の窒素吸収を断つ   ※記事引用元

『農家のあいだでは、米ぬかを田畑に施用すると、作物の味がよくなったり、病害虫に侵されにくくなったりするといわれている。ただ、どうして米ぬかにそのような効果があるのかは、わかっていない。

理由としてあげられるのは、微生物の働きである。米ぬかを放置しておくと、すぐに細菌や菌類などの微生物が繁殖する。土壌に投入された米ぬかには、土壌微生物が繁殖し、土壌中や空気中の微生物が多様化することで、特定の病原菌の増殖が抑えられるという説がある。確かに、土壌微生物が多様化すると、病原菌の増殖が抑制されるという研究報告はある。

しかし、土壌微生物は、良質な堆肥などの施用でも増殖するので、米ぬかだけにそのような作用があるわけではない。また、微生物が多様になることと、収穫物の味が良くなることの因果関係もわからない。


米ぬか 元素の組成
水分率:10%
 炭素:40~48%
 窒素:1~3%
 リン酸:2~5%
 カリ:1~2%
C/N比:18~34

有機化合物として見ると次のとおりである。
デンプン:~70%
タンパク質:10~15%
脂質:20%
繊維:10%


栄養素の元素としては、リン酸の含有量が多い。C/N比は18~34で、かなり大きい。デンプン70%、タンパク質10~15%、脂質20%で、熱量(エネルギー)が大きい。難分解性の繊維は10%しかなく、粉状なので微生物が分解しやすい

微生物は土壌中や大気中の窒素を細胞内に取り込む。微生物による土壌中の窒素の取り込みが急激に進んで、作物が窒素を吸収できなくなると、いわゆる「窒素飢餓」の状態になる。


市販されている家畜糞堆肥の多くはおがくず堆肥やバーク堆肥であるが、これらの堆肥で窒素飢餓が起きたという話は聞いたことがない。それは、窒素飢餓がおきるかどうかは、有機物のC/N比だけでは決まらないからである。

米ぬかの成分は、ほとんどが易分解性で、熱量(エネルギー)が大きいため、微生物によって急速に分解が進む。米ぬかのC/N比は18~34と高く、増殖した微生物は窒素が不足するので、土壌中の窒素を急速に細胞内に取り込む。土壌は、窒素飢餓の状態になる。

微生物は、米ぬかのエネルギー(熱量)を消費してしまうと、それ以上は増えることができなくなる。資源が枯渇して多くの細胞が死滅し、芽胞や胞子を形成(有性生殖)して、休眠状態になる。死滅した細胞から窒素やリンなどの栄養素が、ゆっくりと土壌や大気中に放出され、これを作物が吸収する。

カルシウムは、植物の細胞壁に多く存在し、細胞壁のなかで、ペクチンと結合して細胞壁の強固な構造を維持している。窒素の過剰とカルシウムの吸収の阻害があると、組織が軟弱になり、病原菌や害虫が侵入しやすくなるようだ。

そこで、作物の生育が停滞する時期に、窒素の吸収を中断すれば、組織の強固さを維持することができて、病害虫に侵されにくくなると考えられる。また、収穫物の食味は、

窒素含有量が少ないほど良好になる傾向がある。』


上記の記事を要約すると、

・米ぬかを畑や野菜の周りに撒く。

・米ぬかを分解する微生物が爆発的に増殖する。

・増殖した微生物は土壌や空気中からたくさんの窒素分を吸収する。

・窒素分を食べ尽くしてしまうと微生物は死滅し休眠する。

・死滅し休眠した微生物はゆっくりと土壌や大気に窒素分を放出する。

・そのような土壌の栄養状態の中で野菜は身が締まり、病害虫を防御し、窒素分の少ない美味しい野菜になる。


※以下は転載記事

http://lib.ruralnet.or.jp/genno/yougo/gy013.html

米ヌカ防除(こめぬかぼうじょ)


『通路や作物などに米ヌカをふって病気や害虫を防除すること。米ヌカは肥料としてでなくカビを殖やすためにまくので、量は少しでよい。まいた米ヌカにいろんな色のカビが生え、結果として灰色カビ病などの病気が減る。

米ヌカ防除は、水和剤などの農薬散布と違って湿度を高めることがない。耐性菌もつかず、雨の日にも散布できるため、農家に大きな安心感をもたらす。また通路に米ヌカがふってあれば、葉かきした葉っぱをポイ捨てしてもすぐに分解されて肥料になるため、外へ運び出す手間がいらず、小力的である。

米ヌカで病気が減るしくみはまだよくわかっていないが、生えたカビが空中を飛び、作物の体に付着することで病原菌のすみかを先取りしたり、抗菌物質を出したりすることによると考えられる。

ボトキラー水和剤などの微生物防除剤は、特定の菌で特定の病原菌を抑えることが知られているが、米ヌカ防除は多様な菌でいろんな病原菌を抑えるしくみだといえる。

最近は、虫への効果を言う人が増えてきた。ナスやコネギのスリップス害が顕著に減って無農薬でもピカピカの野菜になったり、埼玉県の狭山茶の産地では茶樹に米ヌカをまくと難敵・クワシロカイガラムシにカビが生えて死ぬという現象が見られ、地域で米ヌカ人気が急上昇。入手困難になっているほどだという。米ヌカは水で溶いて散布したほうがよく樹にかかるということで、散布機を開発した人もいるそうだ。』


当方のブログ記事は、リンクフリーにしております。
必要な画像で、引用画像以外はご自由にお持ち帰りください。
ご報告等は、特に必要ありません。(*^。^*)

  2練馬大長尻大根 9-1