秘密基地で友人と薪ストーブに当たりながら、いつものように話をした。
友人は、時々コンビニでコーヒーを買ってきてくれる。

正常画面1


彼は今年60歳定年で、再任用ということで支援学級の担任をしている。
2学期が終わり、現在は冬休み中である。
子どもたちは休みであるが、教員の場合には有給休暇を使わなければならない。

支援学級の子どもたちは、知的な障害を持っており普通学級の子どもたちよりも知識理解に少し時間がかかる。
また、我がままに育ってしまっているこどもいることがある。

彼の学級には5人ぐらいの生徒がいるが、その中でみんなと一緒に学習ができない女の子が一人いたようだ。
みんなが机に向かっているのに、彼女だけ一人で教室の後ろの方で床に寝そべったりして、遊んでいることが多かったという。

4月に担任になった時に、親との面談をして子供の特徴や性格など教えてもらっていたようだ。
彼女の母親は、小学校の頃から担任の先生に呼び出されたり、子供が言うことを聞かないとお小言を言われたようで、先生や学校に対して不信感を持っていたように感じたと言う。

友人は、子供だけでなくその母親とも信頼関係が結べるようになろうと、色々と考えて教育実践してきたと言う。

彼女と接してきて、半年以上が経った時に、彼女がみんなと一緒に机に向かって勉強をするようになったようだった。
それだけでなく、自分にも宿題を出してくれと彼に要求するようになったと言う。
母親も我が子の変化にいち早く気が付き、担任の話や勉強の話を、家でするようになったと大喜びで話してくれたと言う。

どうしてそのように変わったのか、聞いてみた。

最初の頃、他の子からどうして〇〇ちゃんは、勉強しないで遊んでいるのと彼に聞いてきたようだ。
そして、彼女だけ勉強しないのはずるいと言ったという。
その時彼は、みんなに〇〇ちゃんは、本当はみんなと一緒に勉強をしたいと思っていると思うよ。でも、それがなかなかできないで悩んでいるのだから、そっと見守ってあげようね。
と、他の子達にも彼女を責めないようにお願いしたと言う。
また、他の教科の先生たちにも、彼女のことを絶対に怒らないようにお願いしたと言う。

彼は、3年前までは県の出張所の次長職で、200名ぐらいの校長や教頭の人事担当をしていた偉い先生だった。地域で彼の名前を知らない管理職はもちろん、教員も居ないほどであった。
最後の2年間は、一番大きな学校の校長を勤めた。そして、今年から希望して支援学級の担任となったわけである。

支援学級の子どもたちは、非常に敏感に教員の人間性を見抜くものだ。
本当に自分のことを大事にしてくれている先生か、形だけの人間かを、一瞬に見抜く力を持っている。
おそらく千葉県でも・彼のような定年後の進路を歩むものは。誰ひとりとしていないかもしれない。
彼ほどの地位を経験したものは、私学の高校の副校長とか大学の専任教授とかの声がかかるはずである。

しかし、彼が選んだのは前々からやりたかった彼女たちの学級担任であった。
最初に彼を信頼したのは、親たちであった。

先生の中でも一番の力のある彼のような先生が、自分たちの子供の担任になってくれた。
そして、親の言うこともなかなか聞いてくれなかった子供が、家で宿題をやるようになった。
そして、家で先生の話を自慢そうに話してくれるようになった。
どんなにか親は嬉しかったに違いない。




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