Vol.11 堆肥中のリン酸を上手に使う 転載元
https://www.yanmar.com/jp/agri/agri_plus/soil/articles/11.html

(図1)は、家畜糞(牛・豚・鶏)堆肥をリン酸資材として施用した試験区と、化学肥料の過リン酸石灰を施用した試験区との比較です(窒素・カリは化学肥料で施用)。栽培作物はコマツナで、用いた土壌は可給態リン酸含量が極めて少ない(リン酸欠乏といっても過言でない)火山灰由来の下層土です。
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(図1)の結果は、畜種(牛糞・豚糞・鶏糞)に関わらず、堆肥のリン酸の効果が化学肥料の過リン酸石灰よりも同等かそれ以上であることがわかります。堆肥中の窒素はアミノ酸やタンパク質など有機態として存在しますが、リン酸についても同様で、リン酸と糖などが結合した有機態の形で存在します。さらに重要なことは、窒素やリン酸と結合していないセルロース(※3)などの繊維成分等の有機物も大量に含まれていることです。

それではなぜ、堆肥中のリン酸は効果(あるいは利用率)が高いのでしょうか。その理由のひとつとして、「化学肥料のように水に溶ける形態ではない」ということが挙げられます。化学肥料のリン酸は、水溶性なので溶けて土壌に入ると鉄やアルミニウムとすぐに結合し難溶性になってしまいます(図4)。

(図4)難溶性のイメージ

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一方、堆肥中のリン酸は有機物とすでに結合しています(有機態リン酸)が、それでも土壌中の鉄やアルミニウムと結合し難溶性となる力はあります。しかし、堆肥中には繊維成分が多く含まれており、リン酸は繊維成分に覆われていて土壌の粘土粒子にリン酸が直接触れない状態になっています。そのため、難溶性(鉄やアルミニウムと結合する)になりにくいのです。

そして伸張した根が堆肥中の有機物に覆われたリン酸に到達したとき、この有機態リン酸を無機化する酵素(フォスファターゼ)が根や土壌微生物から分泌され、有機態リン酸は無機化し、根へと吸収されるのです(図5)。(フォスファターゼは植物根から分泌されますが、根面に生息する微生物からも分泌されます。)

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つまり、過剰蓄積の観点からも有機物利用の際のリン酸の肥効を堆肥で置き換え、不足分の窒素を化学肥料で補う施肥設計が望ましいといえます。
また、堆肥中に含まれるカリについても言及しましょう。堆肥中のカリウム(K)は、イオンの形態(K+)で存在します。土壌粒子との反応も化学肥料と同じです。したがって、堆肥中のカリの肥効は化学肥料とは同等といえます。以上のことからも、窒素よりはむしろ「リン酸やカリのための堆肥施用」として、発想を切り替えて、持続可能な農業の一歩を踏み出してはいかがでしょうか。
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発酵鶏糞 使用方法 菜園 1㎡当たり 500g~1000g

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友人の鶏糞使用料は、上記鶏糞の使用法の多めの量の約3倍の使用量である。

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友人の畑の現在のキャベツ
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友人のキャベツ ※大根は私の畑の物
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参考にした肥料

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2練馬大長尻大根 9-1

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