私の毎日の仕事は、フォークオペレーターである。
簡単に説明するとフォークを運転して物を運ぶ仕事である。
下の画像は、フォークの各部の名称を説明したものである。
注目して貰いたいのは『バックレスト』という部分である。
私の乗っているフォークは下の画像のような『リーチ式フォークリフト』である。こちらは電動なので非常に静かである。上の画像のフォークは座って運転する『カウンター式フォークリフト』である。リーチ式は立って運転する。
私の発明品が、下の画像の黒い木製の物である。
使い方は、フォークの「バックレスト」にはめ込んで使うものである。
工夫したところは『バックレフト』に、はめ込んで取り外しができるようにしたことである。
なんのためにか?
下の画像をよく見てもらうと、木製の板が積荷の上と同じ高さになっている。
ぴったりの高さになっていることがポイントである。
なんで、それが大事なのか?
この下の画像が答えである。
私の運んでいく通路には、一ヶ所登り坂がある。
ここが最難所なのである。
今まで、3人のパートの運び屋さんが辞めていった。
その原因の1つがこの坂道である。
商品を崩したり、壊したりする坂道なのである。
この画像の商品は、会議テーブルでピカピカに磨いてあるので、それでなくとも滑り易い。
フォークリフトの『バックレスト』はそんなに高さが無い。
テーブルは15段積みで2列になっている。上段の6枚がこの坂道でずれてしまう。
落ちることは無いが、運んでいってから、いちいちずれた物を直す手間が面倒くさいわけである。
これを見た方は『大したことないじゃない。』と思うかもしれない。
しかし、10年以上この会社にいるが、この坂で、何人もの社員やパートが荷を崩したり、壊したり、荷がずれてしまって何度も直す手間を掛けてきた。
自分が運び屋さんになってから、気になって仕方が無かった。
私が頼んで、鉄製のものを作ってくれるような会社ではない。
取り外しができるようにしたのは、フォークリフトは、私が帰った後、社員が使うのである。
今までは、板をバックレストに縛り付けて、崩れ止めにしていた。
次の朝に出勤してくると、板が割れて置いてあったりしたことが何度もあった。
割った者が、私に報告してくれたのは2回だけだった。
板は割れても良いように、簡単に割れる板を使っていた。
それは、建物を傷つけないようするためでもあった。
しかし、割ってしまう頻度が多いので、今回の発明となったわけである。
なお、発想と設計は私がしたが、施工は、私の秘密基地の先輩相棒に頼んだ。
今朝、設計図を渡したら、30分も掛からないで完成品を受け取った。
今日早速、使って、上記の画像に収めた。
使い心地は、満点だった。