2年ぶりに友人と仏像彫りを趣味としている知人の家に行った。
 
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定年退職して、今年で10年目となる。
「とうとう私も70才になったよ。」と彼は苦笑した。
 
定年してから、現役時代に知り合った「仏師」に入門した。
そして、趣味としてはじめた仏像彫りだ。
 
昔から色んなことに挑戦する彼は、多彩な趣味を持っていた。
ある時は、炭を焼いたり、巨大なサツマイモを作ったり、錦鯉の産卵孵化を手がけたり、興味のあることにとことんのめり込んだ。
 
彼の得意とする隷書は、彼独自の書風を確立するまでになった。
 
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どう見ても趣味の粋を超えている。
 
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彼が何者か、彼自身が過去を明かさないで、第二の人生を謳歌している。
仏像に見せられて、京都に行くたびに、仏像の資料を集め、定年退職したら仏像彫り師に成ろうと、夢を膨らませていたそうだ。
 
過去を振り返って、懐かしんだり、悔やんだりすることは、彼の生き方に反する。
常に、自分の可能性を信じて、挑戦する。
 
そこに道は開ける。
 
そう信じているように感じた。
 
 
 
 
 
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