ジベレリン処理をして9日目の画像

画像下のジャガイモは萌芽し始めている。上はまだのようだ。
一度畑に埋めた種芋を掘り起こして、ジべ処理で強制萌芽させたものと交換した。

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ジャガイモの品種はグランドペチカ
凹みから萌芽し始めている。
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以下の画像は、ジベ処理をしていない。
9月15日に畑に埋めた物を取り出して、萌芽状態を確かめた。
凹みの1つから萌芽している。
品種名はジャガキッズパープルである。
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ジべ処理で強制萌芽させた芽と、明らかに違う。
自然に萌芽した芽は、1つでがっしりしている。
一方、強制萌芽の場合はあちこちから萌芽している。しかも小さく弱々しい。 

ジャガイモは、芽の出る順番が決まっている。『頂芽優勢性』


ジャガイモの芽の散らばり方



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『種芋は頂芽部から下画像のようにらせん状に強い芽が出る性格がある。(頂芽優勢性)又ストロン基部に近づくほど芽の数が減る。』


頂芽部 芽が多く集まる

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茎に着いていたストロン部 芽がまばら
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しかしながら、ジベレリン処理によって、芽の出る順番は破壊され、休眠期が強制的に打破されることとなる。結果として、どの凹みからも同じ勢いて萌芽することとなる。

この意味は、芽がたくさん出てしまって芋が大きく育たないということである。

これを利用して、ジャガイモを小さく、たくさん生らせて、種芋を作ろうということで研究された方法である。
大農場でのジャガイモ栽培は、種芋をまるごと畑に蒔くので、大きなジャガイモよりも小さいジャガイモを種芋に使う。

秋ジャガの種芋を購入した人は、小さな種芋が置いてないことに気づくと思う。
近所の種屋さんで、小さい種芋と中ぐらいの種芋を混ぜて販売していると聞いた。
価格は個数ではなく、1kgとかの重さなので小さなジャガイモのほうが、たくさんの種芋が入っていることになる。


私の場合には小さな種芋をたくさん作る目的で、この方法を取入れたわけではない。

秋作で採れたジャガイモを春作の種にし、春に採れたものを秋作の種に使うという循環型の栽培を目指している。
しかしながら、1つの問題が起こった。
休眠期が長いため、秋作に間に合わない品種があるということである。
循環栽培が簡単にできるのは、休眠期の短い『デジマ』や『ニシユタカ』である。

私が作りたいのは、それよりも比較的休眠期の長い「グランドペチカ」や「アンデスレッド」である。休眠期の長い「トウヤ」や「男爵」では、無理である。

今年の春作は、すべての種芋を秋に作った種芋で賄った。
しかしながら、デジマやニシユタカ以外は、萌芽時期がいつもの年よりも1ヶ月近くかかってしまった。当然ながら収穫時期も1ヶ月ほど遅れることとなった。
これでは、秋作に間に合わない。

ジベレリン処理で時期に合わせて萌芽させられることを今回の実験で確認できた。

休眠期の比較的長い「トウヤ」や「男爵」、「メークイン」なども、この方法で秋作が可能かもしれない。

ただ、たくさん出た芽を2,3本残して、他を全部切り取る作業が必要となるだろう。





以下はジャガイモのジベレリン処理による萌芽の資料
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/harc/2010/cryo10-28.html

植付前2週間の種いもを30秒間5~20ppmでジベレリン浸漬処理(GA処理)して慣行の明所・室温管理することにより、頂芽優勢を崩して側芽の伸長を促すことができる(図1)。
GA処理により、植付後の萌芽期が早まる傾向があり、株当りの茎数は増加する(表1)。』

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