Category: 野菜の病気
半身萎凋病の対策 備忘録
https://agripick.com/1802
ブロッコリーとの輪作(半身萎凋病の病原菌が減少!?)
『ブロッコリーは半身萎凋病菌に感染しますが、半身萎凋病菌の伝染源となる菌核を作らないため、土壌中の病原菌の量は、結果として減少します。輪作の作物の一つとして、おすすめします。
ただし、病気が多発した圃場(病原菌密度が高い圃場)では効果が薄いので、あくまでも予防的な方法と考えてください。』
半身萎凋病は比較的冷涼な気候で発生します。
発病適温(地温)は22〜26℃で、気温18℃以下の低温と30℃以上の高温で発生が減ります。
半身萎凋病はナス、トマト、ピーマン、オクラ、イチゴ、ダイコン、キクなどの多くの野菜や草花に感染しますが、植物によって症状が若干異なります。
半身萎凋病に抵抗性、耐病性品種や台木を使うことも効果的です。
※品種の例 ナスの台木:トナシム、トルバムビガー(タキイ種苗)
◆ベンレート水和剤
定植後の土壌灌注で、半身萎凋病に効果があります。
ほかの病害にも広範囲で登録があるため、同時防除が可能です。
ベンレート水和剤
予防効果と治療効果を兼ね備えています。(成分が葉の中に浸透するため病原菌が植物体に入るのを防ぎ、すでに侵入した病原菌も退治します。)
うどんこ病・灰色かび病・菌核病など広範囲のかび性の病気に効果があります。
トマトすすかび病 ネギの軟腐病
トマトすすかび病
1 病原菌学名 Pseudocercospora fuligena (Roldan) Deighton (糸状菌 不完全菌類)
2 被害の様子
発病葉(表) | 発病葉(裏) |
葉に発病する。初め葉裏に不明瞭な淡黄緑色の病斑が現れ、やがて灰褐色粉状のかびを生じる。病斑は次第に拡大し、円形あるいは葉脈に囲まれた不整形病斑となり、灰褐色~黒褐色に変わる。葉の表面には、裏面よりやや遅れて不明瞭な淡黄色の病斑が現れ、かびを生じるが、裏面に比べて少ない。被害葉は早期に垂れ下がり、病勢が進むと全葉が濃緑褐色のかびで覆われる。
病徴は葉かび病に酷似しており、肉眼での判別は困難であるが、葉かび病に比べ、葉の表面にかびが多く生じること、裏面のかびが盛り上がりがなく平面的なことなどから大まかに判別できる。なお、胞子を顕微鏡で観察すれば、容易に判別できる。すすかび病と葉かび病が混発することもある。
3 病原菌の生態
被害植物の残さで生存し、次作の伝染源となる。発病後は、病斑上に形成された分生子の飛散により伝染する。分生子は淡褐色、鞭状または円筒形で、先端は少しくびれ、小型の油胞がある。大きさは不同で、0~15個の隔壁を有する。生育適温は26~28℃。分生子の形成適温は18~22℃、発芽適温は26℃付近である。
ナスすす斑病と同じ病原菌で、ナス、トマト相互に病原性を有することが確認されている。
4 発生しやすい条件
・多湿条件。
・密植、過繁茂、換気不十分の施設栽培。
5 防除対策
・密植を避ける。
・過繁茂にならないよう管理する。
・施設内の換気に努める。
・発病葉や被害残さは施設外に持ち出し、適切に処分する。
http://www2.pref.iwate.jp/~hp2088/repo/h21/repo_492.html
【1 成果概要】
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写真1 葉表における病徴 (左:すすかび病、右:葉かび病) | 写真2 葉裏における病徴 (左:すすかび病、右:葉かび病) | |||
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写真3 トマトすすかび病菌の分生子 | 写真4 トマト葉かび病菌の分生子 | |||
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担当研究室
https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/954230/14.pdf#search=%27%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%88%E3%81%99%E3%81%99%E3%81%8B%E3%81%B3%E7%97%85+%E3%83%80%E3%82%B3%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AB1000%27
ミニトマトすすかび病に対する各種薬剤の防除効果
1 情報・成果の内容
(1)背景・目的
ミニトマトすすかび病は、葉かび病耐病性品種の導入により顕在化した病害であるが、登録薬剤が少なく、各種殺菌剤の防除効果に関する知見が少ない。また、一部特別栽培に取り組む産地もあり、特別栽培でも使用可能な農薬で本病に効果のある殺菌剤選定も求められている。このため、本病に対する各種殺菌剤の防除効果について検討し、防除対策の基礎資料とする。
(2)情報・成果の要約
1)ミニトマトすすかび病に対し、TPNを含む殺菌剤(ダコニール1000、アミスターオプティフロアブル)の防除効果が高い。
2)次いで、トリフミン水和剤およびジーファイン水和剤も比較的防除効果が高い。
2 試験成果の概要
(1)2012年に現地ミニトマトほ場から採取したすすかび病菌の分生子を接種して殺菌剤の防除効果比較を行った結果、TPNを含む殺菌剤(ダコニール1000、アミスターオプティフロアブル)は防除価90前後で防除効果が高く、次いで、トリフミン水和剤は防除価50以上と防除効果が比較的高い結果であった。なお、いずれの処理区も薬害等の発生は認められなかった(表1)。
(2)2013年、前年に最も効果の高かったダコニール1000と特別栽培に対応可能な薬剤等も含め防除効果を比較した結果、ダコニール1000の防除価が80以上と防除効果が高かった。次いで、特別栽培でカウントされないジーファイン水和剤の防除価が50以上と防除効果が比較的高く、発病前~極初期の予防散布での使用が可能と考えられた(表2)。
ダコニール1000 1000倍5.094.07.891.3-
アミスターオプティフロアブル 1000倍7.091.69.789.1-
トリフミン水和剤 3000倍32.261.341.453.6-
アフェットフロアブル 2000倍63.923.367.824.1-
【参考】ベルクート水和剤 6000倍20.076.028.668.0-
カンタスドライフロアブル 1000倍65.621.266.725.3-
ロブラール水和剤 1000倍67.519.010080.310.1-
アミスター20フロアブル 2000倍66.719.970.021.6-
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